日常生活で介護サポートを必要とする方にとって、最新の情報やニュースを入手しておくことは大切なことです。
介護保険サービスを利用するためには、要介護認定・要支援認定を受けることが必要となりますが、2022年4月1日からは要介護認定・要支援認定の申請書の様式が一部変更されているため、そのニュースも踏まえてお伝えしていきます。
要介護認定申請書で変更された部分
2022年4月1日からは、介護保険の第1号被保険者である65歳以上の方の要介護・要支援認定の申請書に、医療保険被保険者番号の記入が必要となります。
そして、要支援・要介護の区分変更の申請でも、同様に医療保険被保険者番号の記入が求められます。
要介護認定・要支援認定を受けるときには、住まいのある市区町村役所や地域包括支援センターで申請を行うことになるため、事前に申請書の様式を確認しておいたほうがよいでしょう。
要介護・要支援認定の仕組み
介護保険サービスを利用するときには、要介護・要支援認定を受け、介護を必要としている状態であることを証明することが必要です。
要介護・要支援認定は単に申請すれば認められるわけではなく、次の2つの認定により、介護を必要とする状態と判断されることが必要になります。
- コンピュータが行う「一次判定」
- 介護認定審査会が行う「二次判定」
それぞれの認定方法について説明していきます。
コンピュータが行う「一次判定」
「一次判定」はコンピュータが機械的に行うことになりますが、その際には主治医の意見書や、市区町村の認定調査員の認定調査がもととなります。
認定調査員の裁量や地域独自のルールなどに左右されることない一律の客観的判定が可能となる一方で、介護を必要とする方それぞれが抱える介護状態の反映が難しいシステムともいえるでしょう。
一次判定では、次の2つの流れで要介護分類がされます。
- 要介護認定基準時間の算出
- 要介護認定等基準時間による要介護分類
要介護認定基準時間の算出
要介護認定等基準時間は、次の5項目で算出されます。
- 直接生活介助…入浴・排せつ・食事などの介助
- 間接生活介助…洗濯・掃除など家事援助など
- BPSD関連行為…徘徊に対する探索・不潔な行為に対する後始末など
- 機能訓練関連行為…歩行訓練・日常生活訓練など機能訓練
- 医療関連行為…輸液管理・褥瘡処置など診療補助
要介護認定等基準時間はあくまでも一次判定のものさしになるものであり、家庭で行う介護時間や介護サービスの合計時間とは連動していないので、勘違いしないようにしましょう。
要介護認定等基準時間による要介護分類
要介護認定等基準時間により、次の要介護に分類していきます。
- 要支援1…要介護認定等基準時間が25分以上32分未満またはこの時間に相当すると認められる状態
- 要支援2または要介護1…要介護認定等基準時間が32分以上50分未満またはこの時間に相当すると認められる状態
- 要介護2…要介護認定等基準時間が50分以上70分未満またはこの時間に相当すると認められる状態
- 要介護3…要介護認定等基準時間が70分以上90分未満またはこの時間に相当すると認められる状態
- 要介護4…要介護認定等基準時間が90分以上110分未満またはこの時間に相当すると認められる状態
- 要介護5…要介護認定等基準時間が110分以上またはこの時間に相当すると認められる状態
介護認定審査会が行う「二次判定」
客観的な評価である一次判定の後で、保健・医療・福祉の専門家で構成された「介護認定審査会」が「二次判定」を行います。
特記事項や主治医意見書から、介護の手間の多寡が認められるときには、一次判定の結果に縛られることなく要介護度が変更されます。
要介護度が重く判定されることもあれば、反対に軽度と判定されることもありますが、介護認定の結果に不服があるときには行政機関などに審査請求することも可能です。
要介護認定の審査を受ける方法
要介護認定を受けるときには、どのような書類が必要でどこに申請すればよいのか、その内容を知っておくことが必要です。
そこで、
- 要介護認定申請で必要になる4つの書類
- 要介護認定申請を行う場所
の2つについて説明していきます。
要介護認定申請で必要になる4つの書類
介護保険サービスを利用するためには要介護認定を受けることが必要ですが、申請するときに必要になるのは次の4つの書類です。
- 申請書
- 介護保険の被保険証
- 健康保険の健康保険の保険証(65歳以下の方)
- マイナンバー通知書
なお、申請は無料のため費用は必要ありません。
要介護認定申請を行う場所
要支援や要介護の区分ごとに利用できるサービスは異なるものの、認定は住んでいる各市区町村の窓口で行います。
また、本人が入院中など申請できない状態にあるときなどは、家族などを代理人として申請することが必要です。
家族の支援を受けることができないときには、次の場所で申請代行を行っているため活用するとよいでしょう。
- 地域包括支援センター
- 居宅介護支援業者
- 介護保険施設(入所者のみ)