コラム

介護に欠かせない「リハビリテーション」の種類と関連する職種とは

「リハビリテーション」と耳にすると、介護現場や医療機関などで行う「機能回復訓練」をイメージする方がほとんどでしょう。

 

しかし実際には、

 

  • 本来あるべき姿へ回復する
  • 再び適した状態になる
  • その人らしい暮らしを再度構築する

 

といった意味もあります。

 

そこで、介護にも欠かすことのできない「リハビリテーション」の種類と、それに関連する職種について説明していきます。

 

リハビリテーションの4つの種類

リハビリテーションには次の4種類があります。

 

  • 医学的リハビリテーション
  • 社会的リハビリテーション
  • 教育的リハビリテーション
  • 職業的リハビリテーション

 

分野ごとに種類が分かれていますが、それぞれ何を行うのか説明していきます。

 

・医学的リハビリテーション

心身機能回復を目的とし、病院や診療所など医療機関で行う「作業療法」や「理学療法」が「医学的リハビリテーション」です。

 

医師の指示のもと、

 

  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士

 

などのリハビリの専門職が担当します。

 

日常生活の「リハビリ」という言葉は、主に医学的リハビリテーションを指していることが多いといえるでしょう。

 

・社会的リハビリテーション

変化する社会的な状況で、ニーズを満たし豊かな社会参加を実現する権利を行使する力が「社会生活力」ですが、その社会生活力を高めることを目的として行うリハビリが「社会的リハビリテーション」です。

 

・教育的リハビリテーション

障がいを抱える方や児童の潜在能力を開発させ、自己実現を図ることのできる支援を行うリハビリが「教育的リハビリテーション」です。

 

「特別支援教育」とよばれることもありますが、社会人を対象とした社会教育や生涯教育なども含みます。

 

・職業的リハビリテーション

障がいを抱える方が適切な職業に就き、働き続けることができるように支援するリハビリが「職業的リハビリテーション」です。

 

なお、「障害者総合支援法」の訓練等給付での「就労移行支援」や「就労継続支援」も含みます。

 

リハビリテーションに関連する職種

リハビリテーションに関連する職種とは、医師の指示のもとで医学的リハビリテーションを提供する専門職のことです。

 

主に次の3つの専門職が挙げられます。

 

  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士

 

 

それぞれどのようなことを専門とする職種なのか説明していきます。

 

・理学療法士(PT)

日常生活を送る上で必要な基本動作の回復・維持・悪化予防などを目的とした運動機能の回復サポートを行う専門家です。

 

・作業療法士(OT)

手芸や工作など作業活動を通し、日常生活を送るときに必要となる応用動作回復を目的としてリハビリを行う専門職です。

 

・言語聴覚士(ST)

発語や摂食・嚥下が難しい方に対し、言語でのコミュニケーションや食べる機能を回復させることを目的とした発話練習・安全な食べ物の飲み込み方の指導・訓練などを行う専門職が「言語聴覚士」です。

 

「医療保険」と「介護保険」それぞれのリハビリテーションの違い

リハビリテーションは本人の状態に応じて、「医療保険」または「介護保険」によるサービスを利用できます。

 

「医療保険」のリハビリテーションは疾患ごとに利用できますが、ケガや病気の程度により日数に制限があります。

 

「介護保険」のリハビリテーションは介護認定を受けている要介護が利用するサービスであり、施設への通所または自宅への訪問で心身機能維持・回復や自立に向けた訓練を行います。

 

日数の制限はなく、必要とされれば継続してリハビリを受け続けることが可能です。

 

・「医療保険」で行うリハビリテーション

外来・入院など、病院で行う治療・訓練に特化した機能回復が目的であり、疾患ごとに実施されることや、リハビリを受けることができる日数に制限があるといった特徴があります。

 

病院など医療機関にはリハビリ専門職も多く在籍しているため、充実したリハビリを受けることが可能となる反面、長期に渡るリハビリは難しいといえるでしょう。

 

リハビリを担当する主なスタッフとして、理学療法士・作業療法士・言語視覚士が挙げられます。

 

・「介護保険」で行うリハビリテーション

介護保険で行うリハビリは日常生活全般をリハビリと捉え、機能を維持することが目的です。

 

心身機能だけでなく、活動や参加などにも働きかけることが重要であり、QOL(生活の質)を向上させるため、それぞれの要素に対するバランスのよい働きかけが必要といえます。

 

  • 施設に利用者が通いリハビリを受ける「通所型リハビリ」
  • 介護スタッフが利用者の自宅を訪問しリハビリを行う「訪問型リハビリ」
  • 施設に入所しリハビリを受ける「入所型リハビリ」

 

など種類があります。

 

医療保険でのリハビリと異なり、日数や症状に制限がないため、長期に渡る訓練が可能です。

 

主にリハビリを担当するスタッフとして、介護福祉士・ホームヘルパー・社会福祉士などが挙げられます。

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