「介護度」とは、要介護認定や要支援認定で判定される介護の必要性の程度といえます。
要介護認定を受けた結果、要介護者と要支援者のどちらにも該当しなければ「非該当」とし、「自立」という判定を受けます。
介護サービスを利用する上で必要になるのが介護度の判定ですが、それぞれの区分があらわす介護の必要性の状態について説明していきます。
介護を必要とする状態に応じたサービスが提供される
介護保険では、要介護1~5・要支援1~2といった「要介護状態等区分」に応じて、在宅なら「支給限度額」、施設なら「保険給付額」がそれぞれ決定します。
「要介護認定等」のレベルによって、サービスの給付額も変わってくることから、どの段階に判定されるのかという基準は全国一律で客観的に定められています。
要介護は要介護1・要介護2・要介護3・要介護4・要介護5の5段階に分けられますが、継続して介護を必要とする状態の方が該当します。
要支援は要支援1・要支援2の2段階に分けられており、日常生活を営むことに支障があると見込まれる状態で、その状態を改善または維持することが必要な方です。
「要支援」の目安とそれぞれの心身状態
要介護区分には、
- 要支援
- 要介護
の2種類があります。
この中で要支援となる区分では、要支援1と要支援2に分けられます。
身体・精神障害で6か月に渡り継続して日常生活の一部に支障があるとされた場合の判定ですが、目安としてそれぞれ次のような状態の方が該当します。
・要支援1
「要支援1」は次の項目に該当する方です。
- 部屋の掃除・身のまわりの世話などいずれかの見守りや手助けが必要
- 立ち上がりや片足の立位保持など複雑な動作では何らかの支えを必要とすることがある
- 排泄や食事はほとんど自力でできる
・要支援2
「要支援2」は次の項目に該当する方です。
- 身だしなみや部屋の掃除など身のまわりの世話に何らかの見守りや手助けが必要
- 立ち上がりや片足の立位保持など複雑な動作に何らかの支えが必要
- 歩行や両足の立位保持など移動動作について何らかの支えが必要になることがある
- 排泄や食事はほとんど自力でできる
「要介護者」の目安とそれぞれの心身状態
要介護者は要介護1~5の5段階に区分されており、身体・精神障害で6か月に渡り日常生活動作の一部または全部に介助を必要とする方が該当します。
・要介護1
「要介護1」は以下の項目に該当する方です。
- 身だしなみや部屋の掃除など身のまわりの世話に何らかの見守りや手助けが必要
- 立ち上がりや片足の立位保持など複雑な動作に何らかの支えが必要
- 歩行や両足の立位保持など移動動作に何らかの支えが必要になることがある
- 排泄や食事はほとんど自力でできる
- 混乱や理解低下がみられることがある
・要介護2
「要介護2」は以下の項目に該当する方です。
- 身だしなみや部屋の掃除など身のまわりの世話全般に何らかの見守りや手助けが必要
- 立ち上がりや片足の立位保持など複雑な動作に何らかの支えが必要
- 歩行や両足の立位保持など移動動作に何らかの支えが必要
- 排泄や食事に何らかの見守りや手助けが必要になることがある
- 混乱や理解低下がみられることがある
・要介護3
「要介護3」は以下の項目に該当する方です。
- 身だしなみや部屋の掃除など身のまわりの世話を自分ひとりで行うことができない
- 立ち上がりや片足の立位保持など複雑な動作を自分ひとりで行うことができない
- 歩行や両足の立位保持など移動動作を自分ひとりでできないことがある
- 排泄を自分ひとりで行うことができない
- いくつか不安行動や全般的な理解低下などがみられることがある
・要介護4
「要介護4」は以下の項目に該当する方です。
- 身だしなみや部屋の掃除など身のまわりのことがほとんどできない
- 立ち上がりや片足の立位保持など複雑な動作がほとんどできない
- 歩行や両足の立位保持など移動動作が自分ひとりでできない
- 排泄がほとんどできない
- 多くの不安行動や全般的な理解低下がみられることがある
・要介護5
「要介護5」は以下の項目に該当する方です。
- 身だしなみや部屋の掃除など身のまわりのことができない
- 立ち上がりや片足の立位保持など複雑な動作ができない
- 歩行や両足の立位保持など移動動作ができない
- 排泄や食事ができない
- 多くの不安行動や全般的な理解低下がみられることがある
介護を必要とするレベルにより利用できるサービスは異なる
要支援と要介護の認定を受けることが可能となる状態の目安を説明しましたが、介護認定調査のときには日々どのような介護が行われているか調査員に正しく伝えることが必要です。
正確に伝えることで、要介護認定が実際の介護状況を知ることができ、必要な介護サービスの提供につながります。
「要支援」は介護を必要とする状態が深刻でない場合、予防対策としたサービスの利用が可能です。
「要介護」は今の状態を悪化させず、維持・改善のためのサービスを利用できます。