コラム

介護現場で快適に働くことのできる環境づくりで必要となること

介護現場で働く介護スタッフの働き方を改善させることができれば、多くの人材を獲得し定着率を向上させることも可能となるでしょう。

 

長時間労働を是正させることや均等待遇など、介護業界の働き方改革を進めていく上で欠かすことができないといえますが、実際に何から取り組むべきなのか迷うことも少なくありません。

 

そこで、介護現場の働き方を変えていく上で、介護事業者に求められるものや今後改善が期待されることは何かお伝えしていきます。

 

介護現場で働くイメージを改善させるために

介護現場での仕事は、きつい・きたない・危険という3Kのイメージが強く、特に若い人材が集まりにくい状況を作っています。

 

激務で汚れる作業が多く、腰痛などのリスクも高いのに、給料は少ないというイメージが定着すれば人材は増えません。

 

そこで、介護現場で働くスタッフの業務を効率化させつつ、生産性を向上させるためにも短い時間で作業を終えることを可能とする仕組みづくりが必要です。

 

近年では有給休暇の取得も義務化されましたが、取得しやすい職場の雰囲気をつくることも改善の1つとして挙げられます。

 

介護現場での業務改善がサービス質向上につながる

介護施設で業務を改善させるために、日常で必要な仕事のムリ・ムダ・ムラを取り除いていきましょう。

 

現場での業務は、利用者のケアに直結する業務と間接業務に分けることができますが、特に間接的に必要な業務を効率化できれば提供するサービスの質向上につながりやすくなります。

 

 

介護職員が介護現場で特に注意したいのは腰痛

介護現場では、利用者の介護を行う上で様々な姿勢を取ることになります。

 

低くかがんだ姿勢や中腰になることはもちろん、利用者の身体を支えたり持ち上げたりなど、腰に負担がかかる姿勢や動作が多いといえるでしょう。

 

介護現場の仕事は常に腰痛と隣り合わせともいえますが、20代の若い人も無縁ではなく誰でも起こりうることです。

 

腰痛が慢性化すれば、せっかく介護の仕事を覚えても続けることができなくなってしまいますので、腰痛になりやすい要素を把握しておきましょう。

 

腰痛になりやすい要素として、次のような理由が考えられます。

 

座っているときの姿勢が悪い

立っている姿勢よりは、座った状態のときのほうが腰に負担がかかりやすくなるため、身体に合わない椅子を使用し続けることは避けたほうがよいでしょう。

 

体形に問題がある

太り気味の方の場合、常に重さのある荷物を抱えている状態と同じなので、腰への負荷が大きくなると認識しておきましょう。なお、やせ過ぎている方も筋力の低下を招くため、腰に負担をかけないとは言い切れません。

 

運動していない

もし腰痛になった場合でも、腹筋や背筋がついていれば乗り越えることはできても、運動不足などで筋力が低下しているとより負担は大きくなります。運動をしていない方などは、できるだけ歩くなど足腰を鍛えることを実践していきましょう。

 

特に注意したい姿勢は中腰での前かがみ

介護現場で利用者に介護サービスを提供するとき、特に注意したい姿勢は中腰での前かがみです。

 

中腰の前かがみになる姿勢のケアとして、

 

  • 足浴・入浴時の移動
  • 体位変換
  • 起き上がり・立ち上がりの介助
  • 車いすへの移乗

 

などが挙げられます。

 

前かがみの姿勢は腰への負担が大きく、たとえば体重キロの方であれば腰への負荷は立位状態で100キロ、軽くおじぎした姿勢で150キロになるともいわれています。

 

しかし介護現場で前かがみの姿勢を避けることはできないため、一旦ひざを曲げて腰を落とし、1度はしゃがみこんだ上で中腰になるなど工夫をしましょう。

 

利用者を持ち上げるときは腰ではなく足の力で行うように意識することも必要です。

 

もし腰痛になってしまうとしばらく痛みが取れず、腰痛ベルトなど装着することも必要となります。

 

無理な姿勢を避け、痛みがだんだんと引いてきたら腰痛ベルトは外してもよいですが、再度腰痛にならないようウォーキングやストレッチなど軽い運動を心掛けましょう。

 

腰痛によっては軽微な運動でも逆効果になると考えられるため、痛みがあるときには無理に行わないようにしてください。

 

福祉用具を利用すれば腰への負担を軽減できる

利用者のケアに福祉用具を使用することで、腰痛になってしまうリスクを軽減できます。

 

たとえば、ベッドの体位変換や起き上がり、立ち上がりなどは介護ベッドを使った方が介護者の腰への負担は軽くなるでしょう。

 

ベッドから立ち上がるときには、介護者の身長や腰に負担のかからない高さへ調節し、背上げ機能を使って利用者の上半身を起こしながら、さらに上下機能を使って利用者の足裏が床につく高さに調節します。

 

体位変換の際には自動体位変換マットなどもありますし、ベッドまわりや浴室にリフトを設置すれば、より腰にかかる負担を軽減させることができます。

 

介護現場ではこのように、介護スタッフの身体に負担がかからない様々な工夫をしていくことが必要です。

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