介護施設でレクリエーションとして行うことはいろいろあります。
ゲームや軽い運動、カラオケや書道、塗り絵などどれも利用者同士がコミュニケーションを深め、脳や体を鍛えることができるものばかりです。
そして脳をトレーニングするレクリエーションの1つとして挙げられるのが「早口言葉」で、普段の会話ではあまり登場することのない言いにくい文章を読むことで脳を鍛えます。
早口言葉とは?
早口言葉とは、言いにくい言葉を通常よりも早く話すことができるか競う言葉遊びのことです。
テレビのアナウンサーなど、途中つまずくことなく人前で文章を読み上げなければならない職業の方が、発声練習として用いることもあります。
高齢者が早口言葉を練習することで、脳を活性化させ認知症予防につなげることができます。
さらに声に出すことで表情筋などの筋肉を鍛えることにもつながり、肺活量を上げ呼吸の練習にもなるなど、一石二鳥といえます。
早口言葉は特に道具などの準備も必要ないため、手軽にレクリエーションに取り入れることができます。
高齢者向けの早口言葉の事例
高齢者向けの早口言葉はいろいろありますが、まずは簡単なものからチャレンジしてもらい、慣れてきたら難易度の高いものにも挑戦してもらいましょう。
①ウォーミングアップに最適な早口言葉
- 不幸な夫婦は古い服(ふこうな ふうふは ふるいふく)
- 庭には鶏が2羽いました(にわには にわとりが にわ いました)
- 東京特許許可局(とうきょう とっきょ きょかきょく)
- 隣の客はよく柿食う客だ(となりの きゃくは よく かき くう きゃくだ)
- スモモも桃も桃のうち 桃もスモモも桃のうち(すももも ももも もものうち ももも すももも もものうち)
- 生ナマズ生ナマコ生なめこ(なまなまず なまなまこ なまなめこ)
- 生麦生米生卵(なまむぎ なまごめ なまたまご)
- 作るつる草吊るすつゆ草(つくる つるくさ つるす つゆくさ)
- 老若男女(ろうにゃくなんにょ)
②初級レベルの早口言葉
- 鹿もカモシカも鹿の仲間 しかしアシカは鹿ではない 仕方ないから叱っておいた(しかも かもしかも しかのなかま しかし あしかは しかではない しかたないから しかっておいた)
- 赤巻紙青巻紙黄巻紙(あかまきがみ あおまきがみ きまきがみ)
- 赤パジャマ青パジャマ黄パジャマ(あかぱじゃま あおぱじゃま きぱじゃま)
- 青い家をおいおい売る 上へ青い葵をおいおい植える(あおいいえを おいおいうる うえへ あおい あおいを おいおい うえる)
- 新人歌手新春シャンソンショー (しんじんかしゅ しんしゅん しゃんそんしょー)
- 空虚な九州空港の究極高級航空機(くうきょなきゅうしゅうくうこうの きゅうきょくこうきゅうこうくうき)
③中級レベルの早口言葉
- かえるぴょこぴょこ みぴょこぴょこ あわせてぴょこぴょこ むぴょこぴょこ
- 大変達者な足袋屋さん 太鼓代わりにたらいをたんたん 叩いて担架切る(たいへん たっしゃな たびやさん たいこ かわりに たらいを たんたん たたいて たんかきる)
- 茶たばこのんで たばこ茶のむ 茶たばこ たばこ茶 茶たばこのむ(ちゃたばこのんで たばこちゃのむ ちゃたばこ たばこちゃ ちゃたばこのむ)
- この子なかなかカタカナ書けなかったな、泣かなかったかな?(このこなかなか かたかなかけなかったな なかなかったかな?)
④上級レベルの早口言葉
- 貨物船の旅客 中小工業振興会議 乗客の訓練 栗の木の切り口 企画価格が駆け引き価格か 危険区域企画区域(かもつせんの りょきゃく ちゅうしょうこうぎょう しんこうかいぎ じょうきゃくの くんれん くりのきの きりくち きかくかかくが かけひきかかくか きけんくいき きかくくいき)
- キツツキ 木突き中 きつく木に頭突きし 傷つき 気絶し 木突き 続けられず(きつつき きつきちゅう きつくきに ずつきし きずつき きぜつし きつきつづけられず)
- 農商務省特許局 日本銀行特許局 専売特許許可局 (のうしょうむしょう とっきょきょく にほんぎんこう とっきょきょく せんばいとっきょきょかきょく)
- ブタがブタをぶったらぶたれた ブタがぶったブタをぶったのでぶったブタとぶたれたブタがぶったおれた
- ラバかロバかロバかラバか分からないので ラバとロバを比べたらロバかラバか分からなかった
- 七生麦 七生米 七生卵(なななまむぎ なななまごめ なななまたまご)
口腔体操だけでなく口腔ケアも大切
早口言葉にもいろいろな種類がありますが、いずれも大きな声で背筋を伸ばして行うことで、脳機能だけでなく肺機能も鍛えることができます。
そして早口言葉による口腔体操だけでなく、口腔ケアも大切です。
口腔ケアは、口内の粘膜・歯・舌などの汚れを取り除くことはもちろんのこと、舌や頬などの筋肉や飲み込む力などを維持するケアも兼ねています。
むし歯や歯周病予防、誤嚥性肺炎を予防するためにも必要なことなので、早口言葉など口腔体操で脳をトレーニングするとともに、口腔ケアもしっかりと行い利用者の健康を守るようにしましょう。