コラム

介護現場の仕事内容は施設によって大きく異なる?その内容とは

介護現場といっても、就労する施設により介護職の仕事は違ってきます。

 

介護職という1つのくくりで表現されやすいですが、実際には施設によって利用者の要介護度や心身症状なども違いがあることが多いため、対応する業務や職務もその違いに合わせていくことが必要です。

 

たとえば介護現場となる施設には、入所型・通所型・訪問型という3つの種類があり、それぞれ特徴があるためその違いを把握しておきましょう。

 

入所型施設などの介護現場の特徴

入所型の施設の場合、利用者の生活の場となっているため、365日24時間体制でケアを行うことが必要です。

 

そのため介護現場で働くスタッフは、昼間だけ勤務すればよいわけではなく夜勤も必要となりますが、入所型施設には次のような種類があります。

 

 

特別養護老人ホーム

 

要介護3~5など、比較的要介護レベルの高い寝たきりや重い認知症の利用者が生活する場となっている介護施設であり、手厚い介護を常に必要とする利用者が入所しています。

 

そのため介護スタッフは利用者の身体介護をメインに行うこととなり、食事介助・排泄介助・入浴介助・移動介助などの他、様々な身のまわりの世話を業務として担当します。

 

勤務体制も、日勤・夜勤・早番・遅番などに分かれ、シフト制など交代しながら24時間体制で利用者のケアを行っていくことが必要です。

 

 

老人保健施設

 

医学的な指導のもとで、自宅に戻ることを目的に介護やリハビリテーションを行う施設です。

 

こちらも交代で勤務しながら24時間体制で身体介護を行うことが必要ですが、利用者が入所するのは3か月程度であることが多く、新たな利用者を迎えるたびにそれぞれの心身状態などをしっかり把握しておくことが求められます。

 

理学療法士の指示に基づき、介護職がリハビリテーションを行うこともあるためその知識も必要とされることがあります。

 

 

有料老人ホーム

 

主に民間が運営している介護施設であり、健康型・住宅型・介護型という3種類に分かれています。

 

このうち、介護スタッフが活躍できるのは介護型の有料老人ホームですが、利用者の心身状態は施設ごとに異なります。

 

要介護レベルが重い方には身体介護をメインとして行うこととなりますが、まだそれほど介護を必要としない元気な方には、外出のときに付き添ったりレクリエーション活動を支援したりと様々です。

 

 

ケアハウス

 

要介護度1~2レベルの比較的軽度の要介護認定を受けている利用者が対象となっており、入浴やトイレは自らで可能という方が多いといえます。

 

そのため介護スタッフは身体介護より身のまわりの世話や掃除、身体の衰えを抑える運動やレクリエーション活動などをメインに行うことが多くなるなど、様々な業務を幅広く担当することが必要です。

 

 

グループホーム

 

要介護1~3レベルの認知症の高齢者が対象となっている施設であり、少人数の高齢者が1つのグループとなって家庭的な雰囲気の中で生活することが特徴です。

 

要介護レベルが重い利用者の方であれば、トイレや入浴の介助を必要とすることもありますし、身体的に元気な方であれば一緒に買い物に行くことや料理を作るといった家事も行います。

 

認知症の方と長時間接することになるため、認知症に関しての理解や思いやりが必要となるでしょう。

 

 

通所型と訪問型の施設の介護現場の特徴

通所型の施設の場合には、利用者が日中、通いで利用することになります。それに対し訪問型の施設では、介護スタッフが利用者の自宅を訪問し、ケアやサービスを提供するという違いがありますが、それぞれ次のような施設がその対象です。

 

 

デイサービスセンター

 

通所型の施設であるデイサービスセンターでは、普段は在宅で生活している利用者が日帰りで訪れます。

 

食事・入浴・日常動作訓練・レクリエーションなどを施設で提供しますが、自宅までの送迎なども行うため、利用者だけでなくその家族とのコミュニケーションも重要になることが特徴です。

 

 

居宅介護支援事業所・訪問介護事業所

 

訪問型である居宅介護支援事業所の場合、ケアマネジャーが介護保険サービスの利用を希望する高齢者の心身状況を確認し、ケアプラン(居宅サービス計画)を作成します。

 

そして訪問介護事業所では、作成されたケアプランに基づきホームヘルパーを高齢者の自宅に派遣し、身体介護や家事を行う形です。

 

ホームヘルパーは訪問対象となる高齢者の心身状況により、排泄や入浴の介助・清拭などを行うこともあれば、元気な方が通院・買い物するときに付き添うといった業務を行います。

 

利用者の要望や健康状態、家庭の状況などに応じて必要とされる仕事内容も違ってくるため、それに対応できる能力が必要とされます。

 

そして自宅を訪問するホームヘルパーのスケジュールを管理・調整し、指導やアドバイスを行うのはサービス提供責任者です。介護福祉士の資格保有者や介護職員基礎研修修了者、ヘルパー養成研修1級の修了者、ヘルパー養成研修2級修了者で実務経験3年以上の方であればサービス提供責任者になることができます。

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