介護の仕事は、ハードで体力が必要な業界だと認識されていることが多いですが、実際に働いた方はやりがいを感じやすいことも特徴です。
きつい・汚い・給料が安いといった3Kのレッテルをはられていることもありますが、近年では働き方改革などの影響で勤務時間や賃金なども見直されています。
そこで、実際に介護の仕事としてどのようなことを行うのか、スタッフがやりがいを感じられる理由などをご説明します。
介護の仕事とは?
介護の仕事と耳にしたとき、まずイメージされるのは高齢者のお世話係でしょう。食事や着替え、入浴や排泄などをサポートすることばかりと考えがちです。
しかし実際には身の回りのお世話だけでなく、高齢者が自立できるように支援することを理念としています。
高齢者は介護保険を使って介護サービスを利用することになるため、社会全体で高齢者を支え合う仕組みの中で、活躍できるのが介護施設の仕事です。
「ありがとう」と笑顔で言ってもらえる喜び
介護スタッフが仕事でやりがいを感じるときとして、もっとも多く挙げられるのが利用者やその家族に喜んでもらえたときといえます。
介護サービスを利用するまで元気がなかった利用者が、介護スタッフからケアを受けるうちにだんだんと元気になっていけば、利用者だけでなくスタッフにとっても大きな喜びにつながります。
そして利用者やその家族から、「いつもありがとう」という感謝の言葉をかけられたとき、介護の仕事を選んでよかったと感じることができるでしょう。
介護の仕事は人を相手にする仕事なので、心をこめたケアを行えばきっと相手にもその気持ちが伝わるはずです。
人生の大先輩の優しさなどを知ることができる
介護の仕事は高齢者が相手となりますが、長い人生を過ごしてきた大先輩に対し、ケアを行わなければなりません。
若い世代が時間に追われイライラしている感覚は、高齢の方にはほとんどなく、戦争や震災など様々な窮地を乗り越えてきた方であればさらに心に余裕があります。
それらの経験がない方でも、結婚や出産、子育てなどを経験している方、長く会社に勤めていた方や自営業で経営していた方、人間関係やお金の苦労に自身の病気や老いなど、介護スタッフがまだ経験していないことを乗り越えてきた方もいます。
すべての高齢者がおおらかで心にゆとりがあるわけではありませんが、人生の大先輩の心に触れることで大切なことを学ぶことはできるはずです。
時間に自由がなく休みにくいイメージは嘘?
介護の仕事は長時間労働で休みもとりにくいというイメージを持たれている方も少なくないようですが、施設により異なります。
確かに24時間稼働している施設などは、シフト勤務で夜勤などがありますが、手当がつくのでむしろ夜勤の求人を探す方もいるほどです。
子どもがまだ小さい主婦の方でも、日中のみという働き方もできる施設も多くあります。
最近では施設に保育園を併設し、子育て世帯の方でも働きやすい環境整備に取り組む事業所も増えています。
介護の仕事は時間や休みの融通がききにくいというイメージが強いため、スタッフが働きやすい環境を整備し、ネガディブな印象を払拭するようにしていきましょう。
キャリアアップしやすいことも特徴
介護現場で活躍しているのは、男性よりも女性が多いと感じる方もいることでしょう。
その理由として、現場で行うことは食事や入浴、排せつ、着替えなど、いずれも主婦が得意とすることが多く、家事スキルを活かしやすいからです。
また、勤務時間を選ぶことができる施設も多くあるため、家事や育児が両立しやすいこともその理由といえるでしょう。
一般の業種では、女性よりも男性のほうが有利でキャリアアップしにくいこともありますが、介護分野にはそのように性別が障壁になることはありません。
年齢もハンディキャップになりにくく、もちろん若い世代は歓迎されますが、60代や70代まで働いている介護スタッフも多くいます。
資格を保有していなくても働きはじめることができ、現場の仕事を覚えながら資格を取得することでキャリアアップへとつなげることもできます。
介護福祉士・ケアマネージャー・社会福祉士など国家資格や公的資格などであれば、よりキャリアアップにつながりやすくなるため、やりがいを感じることができるでしょう。
リストラなどで職を失うリスクも低いことがメリット
介護の仕事は一定のエリアに限定されず、どの地域でもニーズが高いことが特徴です。
たとえばUターンやIターンなどで転職することになっても、職探しに困ることはほとんどないと考えられるでしょう。
仮に勤務していた施設が事業を辞めてしまい、職を失うことになったとしても次に働く施設などすぐに見つかりやすいのもメリットです。
介護現場で得た知識や技術、取得した資格は無駄にはならないため、やりがいを感じながら働くことができるといえます。