介護保険で実施されるリハビリの中でも通所によるデイケアの魅力

介護保険での行われるリハビリは、介護を必要とする方からその家族、地域の方までいろいろな方が関係し支え合うことにつなげることができます。

介護保険によるリハビリ以外にも、医療保険で行われるリハビリもあるため、具体的にどのような違いがあるのかよくわからないという方もいることでしょう。

そこで、それぞれの違いについてと、介護保険でのリハビリに重点を置き通いながらリハビリを行うデイケアの効果などについてご説明します。

介護保険と医療保険のリハビリの違いとは

リハビリが行われる場合、それが介護保険によるものなのか、それとも医療保険なのかにより次のような違いや特徴があります。

医療保険でのリハビリは、主に治療・訓練に特化した機能回復を目的として実施されます。

通院による外来や入院などで、疾患に応じた内容の機能回復を目指しますが、受けることができる日数に制限が設けられています。

医療機関である病院には、PT（理学療法士）・OT（作業療法士）・ST（言語視覚士）といったリハビリ専門職も多く常駐しているため、充実した機能訓練を受けることが可能ですが、長期に渡りわたってのリハビリは難しいことが特徴です。

日常生活全般をリハビリと捉えながら、機能維持を目的に実施されるのが介護保険でのリハビリの特徴です。

介護保険を使うので、要介護認定を受けている方が利用できる機能訓練であり、通所型リハビリ・訪問型リハビリ・入所型リハビリといったリハビリが行われる場所に違いがあります。

日数や症状に制限もなく、必要性があれば継続して受けることができるので、長期に渡りリハビリに取り組みたいなら介護保険のほうがよいといえるでしょう。

デイケアとは通所リハビリテーションのことで、医療機関や介護老人保健施設、介護医療院などで実施されるリハビリを通いながら利用できる介護保険サービスを指しています。

対象となるのは要介護認定を受けた高齢者で、国家資格を取得したリハビリ専門職の機能訓練を受けることが可能です。

利用時間は6～8時間程度の1日型や、1～2時間の短時間で行うなど、施設によって違いがあります。

デイケアで利用できるサービスは、歩行訓練などのリハビリテーション以外にも次のことが挙げられます。

デイサービスよりも医療やリハビリなどが強化されていることが特徴であり、胃ろうや痰吸引といった医療的ケアを必要とする方や、リハビリを集中して行いたい方に利用されています。

デイケアでは1日型で行われることが多いですが、1～2時間程度の短時間利用という場合には、は短い時間の間のみリハビリを集中して行うことになります。

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの専門スタッフの機能訓練を受けることができることが魅力ですが、常にマンツーマンで対応してもらえるのではありません。

1対1で実施されるのはおおよそ20～30分程であり、後はリハビリメニューを自主トレーニングするといったことが多いようです。

デイケアを利用する時にはリハビリテーション計画書が作成されますが、計画書にはリハビリの目標も記載されます。計画書の内容に沿うリハビリが実施されることになり、記載された目標が達成できればデイケアを卒業しサービスは終了します。

身体機能を維持するためには、その後、デイサービスに移る方もいますし訪問リハビリを利用する方もいます。

施設に通ってリハビリを利用するデイケアではなく、直接利用者の自宅に理学療法士など専門スタッフに訪問してもらえる訪問リハビリに魅力を感じている方も少なくありません。

機能訓練を受ける場合、デイケアと訪問リハビリのどちらがよいのか迷うこともあるでしょうが、訪問リハビリの場合は自宅でなければ行うことが難しいリハビリを希望する時に利用するとよいでしょう。

入浴の際に浴槽をうまくまたげるようになりたいという動作訓練や、自宅から近隣のスーパーまで転倒せずに歩いていきたいという場合などの屋外歩行訓練などがその例として挙げられます。

そこでまずはデイケアで筋力強化や日常生活動作を向上させる訓練を行い、身体機能を向上させることが望ましいでしょう。

デイケアを卒業したら、訪問リハビリにシフトし具体的に日常生活の動作で困難な部分をリハビリするとより快適な暮らしを送ることができます。

デイケアとデイサービスも似たようなサービスと捉えられがちですが、デイケアのほうが、医療的ケアが強化されているので、退院したばかりでリハビリを続けたい方などには安心です。

デイケアはデイサービスよりも利用手続きに時間がかかることから、余裕をもって利用する施設を探すことも必要になります。