人は年を重ねていくことにより、だんだんと心身機能が低下していくため体を動かしたり頭を使うことを面倒に感じてしまいがちです。
しかし体も頭も使わなければますます機能は衰えてしまいますので、介護現場でも心身にしっかりアプローチできるレクリエーションを取り入れていきましょう。
レクリエーションは体を動かす以外にも、指先を使ったり頭を使ったり、音楽やダンスを楽しんだりなど種類はいろいろです。
楽しいと感じられるレクリエーションを行えば、身体機能を維持・向上させるだけでなく脳も活性化させ、趣味活動などにつなげることもできるので認知症予防にもつなげることができるでしょう。
介護現場でレクリエーションが必要となる理由
自分の体がだんだんと衰えてきたことを実感している高齢者は、家族や介護スタッフなどに運動するように勧められたとしても、高齢であることや病気を患っていることを理由に積極的に取り組もうとしない可能性があります。
しかし体を動かさないままでいれば、骨、筋肉、関節などの機能はさらに低下していき、運動量もますます減少していくこととなるでしょう。
このような場合、参加したいと思えるレクリエーションが開催されれば、楽しみながら適度に運動を取り入れることができます。
いろいろな種類のレクリエーションとその効果
では実際に介護現場ではどのようなレクリエーションが行われているのでしょう。
種類としては、体を動かすものもあれば頭を使うもの、指先を使うもの、音楽を用いるものなどがあります。
レクリエーションは介護施設内で生活する入居者同士や介護スタッフとの交流やコミュニケーションも目的としていますが、それだけでなく様々な効果をもたらす大切な役割を担うものと認識して取り組むようにしましょう。
体を動かすレクリエーション
体を使うレクリエーションを行うと、日常的に体を動かす機会が大きく減少している方でも適度な運動が可能となります。
無理せず楽しみながら軽く体を動かすことにより、機能的な部分も回復する効果も生むことになるでしょう。
また、適度に体を動かせば食欲が出たり入眠をスムーズにしたりという効果も期待できますので、規則正しい生活にもつながりやすくなります。
訓練として行うのは苦手で苦痛に感じても、ゲームやダンスなどの要素としてレクリエーションを行えば、体を動かすことに喜びを感じられる可能性も出てきます。
リラックスして自発的に体を動かすことができるように、参加者が楽しいと感じられる内容をレクリエーションとして取り入れるように工夫していきましょう。
手先・指先を使うレクリエーション
工作や料理、編み物や刺しゅう、塗り絵、折り紙など、手先や指先を使うレクリエーションは脳の動きを活性化させる効果が期待できます。
自分で考えながら作業を行うことになるので、自然と脳を鍛えることになりますし、指先の運動にもなります。
高齢者が懐かしいと感じるお⼿⽟や紙鉄砲などのおもちゃを作ってみたり、縫物や編み物、絵画などで作品を作ったりすれば、達成感を得ることもできるでしょう。
それまで興味がなかったことでも、始めてみれば面白いと感じ、趣味につながることもあるようですので、生きがいづくりにもつながる可能性があります。
また、作った作品を介護施設で開催するバザーで販売するなど、社会に参加するきっかけにもなるので積極的に取り組んでみるとよいでしょう。
頭を使う脳内トレーニングなどのレクリエーション
脳内トレーニングとして挙げられるのが、簡単な計算を早く解く計算ゲーム、漢字やことわざなど言葉を使ったゲームや言葉遊び、パズルを解いていくゲームなどです。クイズ形式にして利用者をグループに分け、回答を競いあうといった楽しみ方もあります。
頭を使ったレクリエーションは、高齢者にとって脳の働きを活性化させるために非常に効果があると考えられます。脳の活性化には、考えること、チャレンジすること、判断することがよいといわれていますので、認知症予防のためにも積極的に取り入れていきましょう。
ただし認知症を患っている方はすでに認知能力が低下しており、あまりにルールが複雑すぎればレクリエーションに参加できなくなる可能性もあります。
そのため参加する利用者の心身状態に合ったものを多く取り入れるなど、レクリエーションに参加したいと感じられたり意欲を向上させたりできるような内容を工夫して取り入れるようにしてください。
レクリエーションが待ちどおしいと思ってもらえるように
レクリエーションへの参加に興味を持ってもらえるよう、介護スタッフの声かけも重要になります。レクリエーションが面倒と感じるのではなく、はやく参加したい、待ち遠しいと感じてもらえるような楽しめるものをスタッフ同士で話し合い取り入れていくことが大切です。