コラム

介護ロボットの中でもスーツで世界初のサイボーグ型ロボット「HAL」に注目!

介護現場でもAIや介護ロボットなどの存在が注目されていますが、その中でも装着して介護をサポートするスーツ型ロボットの「HAL」は、身体機能を改善・補助・拡張することを可能とする世界初サイボーグ型ロボットとなっています。

 

WIPO(世界知的所有権機関)で本国際特許はNotable Inventionに認定されるなど、安心して介護施設でも活用できます。

 

スーツ型といえる腰タイプ介護・自立支援用のHALは、介護は人の手で行いたいという想いと、腰痛により介護スタッフが離職してしまうことを防ぐ対策につながるタイプの介護ロボットです。

 

介護支援の用途に

腰タイプの介護・自立支援用のHALは、重介護ゼロ社会に向けたサポートを可能とすることが特徴です。

 

ベッドから車いすに移乗する際の介護動作では、介護スタッフの腰部に負荷がかかってしまうものです。その負担を低減することにより、腰痛発生リスクを減少させることが可能です。

 

さらに生体電位信号を読み取り、動きをアシストして移乗介助や体位変換介助などの時の腰部の筋肉、腰椎、椎間板などに対する負荷も低減させることができます。

 

ただ、長時間装着すると重さで苦しくなるのでは?と想像してしまうものでしょう。しかしHALはコンパクトな設計となっていますし、重さも3キロ程度なので長時間の装着でも負担がかからない配慮がされています。

 

さらに充電式バッテリ駆動なので、使いたい場所で使用が可能であり、防水機能も備わっているので負担の大きい入浴介助にも使うことが可能です。

 

自立支援の用途にも

HALは利用者に対して介護を行う介護スタッフの負担を軽減させてくれるだけでなく、利用者が自身で行動することを可能とする支援もしてくれます。

 

介助がなくても立ち座り動作を可能とするなど、利用者の自立度を向上させてくれるので本人の自信や希望を持つことにもつながりますし、もちろん介護スタッフの身体的な負担も大きく軽減してくれます。

 

 

HALなど介護ロボットの利用で介助はどのように変わる?

実際にHALを導入し、利用者と介護スタッフの満足度を高めている施設などもあり、自分の足で立ったり歩いたりしたいと考えた利用者が、HALを紹介してくれたことをきっかけに導入することもあるようです。

 

人が体を動かす時には、脳から筋肉に生体電位信号が送られます。HALは皮膚表面に取り付けたセンサーが読み取ることによって動作する仕組みです。

 

軽量でコードなどの制限がないので、使う場所も選ばず移乗介助でも腰部にかかる負担を軽減できます。

 

なお、HALを導入する場合には安全に使用するための管理者の資格保有者が必要となるので、CYBERDYNE株式会社の講習や試験を受けることとなります。

 

そして他の介護スタッフがHALを使用するためには、講習や試験を受けた管理者から安全使用者講習を受けることが必要です。

 

安全使用者講習はDVD視聴と装着練習ですので、介護の時間を割くことなく利用可能となるのも特徴といえます。

 

最初は慣れていなくても…

HALの装着は、最初慣れていない間は他のスタッフの手を必要とすることもあるでしょう。しかし慣れれば単独で装着することもできるようになり、1分かからず使用可能となります。

 

物を持ち上げたり利用者の体をささえたり、単発的な支援をHAL装着で行うと、腰に対して負担がかからないことを実感できます。ただ、HALを装着していない時とは体の使い方が異なるので、中には動きにくさを感じてしまうことやアシストが必要ない場面なのにアシストがかかるなど戸惑いも出てくるでしょう。

 

改善するためには積極的にHALの使用回数を増やし、どのような場面でアシストが有効か確認する作業も必要となります。使用回数を重ねていけば、移乗支援や中腰での姿勢で介助する際によりHALの効果を実感できるようになるでしょう。

 

介護現場での介助は介護スタッフの資本とする体が守られなければ意味がありません。介護スタッフの体に大きな負荷がかかり、健康を損ねることになれば利用者に対して適切でよいサポートはできなくなってしまいます。

 

介護スタッフの健康を守ることは利用者のためでもあるといえますので、うまく介護ロボットを活用し、定着率の向上と働きやすい環境づくりを目指していくようにするとよいでしょう。

 

安心して活用できる介護ロボットは今後さらに増える可能性大

簡単に装着でき介護スタッフと利用者、どちらもサポートしてくれるスーツ型の介護ロボットがHALです。HALは作業に合わせた5段階のアシストの選択が可能となっており、医療機関や住宅などで使用できるほど厳しい基準をクリアしています。

 

そのため、生活支援ロボットの国際安全規格ISO 13482の認証も取得していますし、欧州機械指令にも適合していることが特徴です。

 

介護現場で働きたいけれど、よく耳にする腰への負担が大きくかかり仕事を続けたくても続けることができなくなるのは避けたいと考える方もいることでしょう。

 

しかし今後、このような介護ロボットは介護施設などで積極的に導入されるようになるでしょうし、すでに導入している介護事業所などもあるはずです。

 

もしまだ導入されていないなら、実際に働きだした時に利用者の声などに耳を傾けながら、提案してみてもよいかもしれません。

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