家族に対する介護が必要になった場合、毎日休みなく続く介護で多くの介護者は疲れを感じてしまうようです。
介護うつや介護離職などの要因にもなるため、介護うつなどを引き起こすため、大きな社会問題にもなっています。介護疲れの背景や要因、そして解消法について解説します。
ある日突然介護を行うことに!
介護はある日突然、その必要が出てくることが多いため、十分に心の準備や覚悟ができていない状態で生活がガラリと変わってしまいます。
家族が介護を必要とする状態になったことに対してショックを受けた状況で、何から始めていけばよいのか、この先、家族の介護を行いながら仕事を続けることはできるのかなど、色々な部分で不安を抱えることにもなるでしょう。
これまで介護の経験がない方は、行うことがあまりに多すぎて、身体的にも精神的にも疲労がたまり、介護疲れを感じてしまいます。
家族や親せき、近所の仲間や地域などから助けてほしいと思っても、だんだんと交流の場を失い、疎遠になり、孤立しやすくなることも特徴です。
唯一頼ることができるはずの家族の間にも、それまでは出ていなかった問題が表面化してしまうこともあるなど、介護をきっかけに色々なことが変わってしまうこともあるのです。
介護者は孤立しやすい
孤立すると閉塞感が強くなり、介護者の心身バランスが崩れ始めてしまいます。
精神的に追い詰められた状態となれば、介護うつや介護放棄などの状態に陥ってしまい、最悪のケースでは家族の介護をきっかけに悲しい事件を起こしてしまう可能性もあるのです。
逃げ場のない介護生活を続けている方には、誰にでも起こり得る危険性があるため、介護施設や介護サービスは、このような追いつめられた状況に陥った介護者の手助けになるために必要といえます。
経済的な負担も重くなる
もし介護を必要とする家族に対して、自分だけで在宅介護を続けるとしたら、介護食品や用品にたくさんの費用がかかります。
仮に介護を原因として介護者が離職した場合、収入が途絶えたり減少することとなり、経済的な不安を抱えることにもなるでしょう。
このような場合に、少しでも介護者の負担を軽減させるために利用したいのが介護サービスです。介護保険を使ったり、行政などが行うサービスもありますので、これから介護現場で働く方は、介護者の負担を軽減するためのお手伝いをしているといった意識を持ちながら、介護者も介護を受ける方も双方が安心して生活できる支援をしていきましょう。
ケアマネジャーが介護計画を作成
公的介護保険の支給限度額を考慮し、ケアマネジャーがどのような介護が必要なのか計画を立てていきます。
すべての介護を介護サービスに依頼するのではなく、家族が行う部分、サービスに依頼する部分の区分けがポイントとなります。
排泄やおむつ交換などは、家族が行ったほうがよい場合もあれば、介護サービスを利用したほうがよい場合もあるので、介護を利用する方それぞれに合わせることが必要となります。
介護者も気分転換が重要!
ずっと介護を続けていると、介護者もリフレッシュすることが必要です。
そのために利用されることが多いのがショートステイですが、家族を介護サービスに任せて自分は自由な時間を楽しむなんて…と罪悪感を抱く方もいるようです。
しかし、介護者が気分転換したり、介護から解放される時間を持つことは、けっして悪いことではありません。むしろ、日常の多忙な日々から解放される時間を得ることは必要なことです。
介護者が休息できる支援を行うことを「レスパイトケア」といいますが、ケアマネジャーなどは、このレスパイトケアも重要ことだと認識しています。
介護現場で働く方が支援するのは利用者だけではない
介護現場で働くということは、介護を必要とする方をサポートするだけでなく、一人で介護と向き合い孤立してしまいがちな介護者を手助けする仕事でもあります。
介護者は地域の誰かと繋がり、いざという時に手を差し伸べてもらえる状態を作っておくことも時には必要になります。
特に認知症の方を介護している方は、他人に迷惑はかけられないと自分一人で抱えてしまいがちです。
介護者は、町内会や民生委員、交番、行きつけのお店など、もしかしたらお世話になる可能性がある方たちに挨拶をしておくことで、地域と繋がることもでき、万一何か会った場合にも安心できるはずです。
このようなちょっとしたアドバイスが、後に役立つ場合もある事を知っておくとよいでしょう。
利用者とその家族の生活の質を向上させるお手伝いを
介護者が自分の生活をすべて介護に使ってしまわないように、デイサービスやショートステイを上手く活用してもらえる取り組みも必要となるでしょう。
介護現場で働く方も、介護者が気軽に介護から解放されるひとときを持てるサービスを利用することは悪いことではないと理解しておくべきです。
介護サービスには色々な種類があり、サービスを利用する方の事情も人それぞれです。どのサービスを提供する側になっても、利用者やその家族が安心して利用することができるように、生活の質を高めることができるサービスを提供することが求められるといえます。