コラム

介護現場でもっとも重要となるのは「チームケア」!その理由とは

介護現場で働くスタッフは、すべての方が同じ仕事を行うわけではありません。専門性や持ち味はスタッフごとに異なるため、担う役割も違って当然といえます。

 

ただ、それぞれが責任をまっとうして、スタッフ同士が認めあうこと、尊重しながらも力を合わせることは必要です。

 

よりよい介護サービスを提供するために、チームケアは欠かせないと理解しておくことが必要となります。

 

よいチームワーク作りがよい介護サービス提供に繋がる

介護サービスの利用者との人間関係は介護の基本ですが、互いを理解することによってコミュニケーションも円滑となるでしょう。

 

しかし、利用者だけでなく、スタッフ同士と理解を深めあうことも大切です。それぞれが担う役割や業務、人間性を理解してはじめてよいチームワークが生まれるからです。

 

介護現場では役割ごとに関係が生まれてしまいがちですが、そのような壁は取り除き、担う役割や担当以外のスタッフとも連携し合えるチームケアを実現させていことの大切さを知っておきましょう。

 

トラブルが起きるのはコミュニケーションが取れていないから

介護現場でいろいろとトラブルが起きることもありますが、その原因の多くは人間関係によるものです。そこには、チームケアという要素が存在し、円滑なコミュニケーションが取れてないことがトラブルの要因となる傾向が見られます。

 

介護がチームケアであると捉えることができにくいのは、スタッフ全員が揃うことが稀な職業であることも関係します。

 

入所施設などでは24時間体制で介護を行う必要があるため、スタッフに対してもシフト制が採用されることになります。それにより、ほとんど顔を合わすことのない同僚なども存在することになり、スタッフ同士が集まる機会を作り出すことも難しい状況を作り上げているといえます。

 

意思の疎通を図る機会を失うことで孤立してしまいがちとなり、悩みを打ち明けたり共感し合うことができず、チームとして成り立たなくなってしまうこともあるようです。

 

専門性が高いとこだわりも強くなる傾向に

仮にチームのスタッフすべてが集まることができたとしても、それぞれが担当する役割や業務内容、職種などが異なる中、現場を見る視点や考え方、立場などで意見が割れることもあるでしょう。介護士だけでなく、ケアマネジャーもいれば看護師も1つの施設に存在するからです。

 

そのような状態下において、それぞれが自分の視点や領域、意見や考え方だけに固執していてはチームケアとして介護サービスを提供することには繋がりません。

 

専門性の高い専門職の方ほど、自分のこれまでの知識や経験、その専門性に基づく視点などにこだわり過ぎる傾向が高くなり、意見や考え方を曲げない傾向もみられます。

 

しかし、実際には介護士や看護師など、それぞれの専門職の立ち場から見た時の考え方も理解することが必要ですし、何よりも利用者や家族の立場になってよい介護サービスとはどのような内容なのかを考えていくことが求められます。

 

 

チームケアに欠かせないのはホウ・レン・ソウ

社会人の一般的なマナーとして、報告(ホウ)・連絡(レン)・相談(ソウ)という基本的なプロセスを怠ることはトラブルを生みがちになります。

 

例え担当する業務は違っていても、利用者についての申し送りができていなければ、人間関係のトラブルにのみ留まらず、利用者の生命にかかわる問題が起きてしまうかもしれません。

 

特に施設や訪問介護事業所では報告・連絡・相談という流れの必要性は際立つと考えられますので、スタッフチームが顔を合わせる機会がなくても、適切な申し送りにより1つのチームとして介護サービスを提供できる環境や仕組みを構築することが求められます。

 

人と関わることの多い職種だからこそ…

介護の現場には色々な人が関わることになります。スタッフとして働く方が担当する分野はいろいろありますので、自分が担当する役割や業務以外にどのような分野があるのかも知っておく必要があります。

 

一緒に仕事をする方たちだけでなく、施設を利用する方との関係を築いていくことも大切になるため、特に人と関わることの多い業種といえるでしょう。

 

専門的な分野で働くことになれば、自分なりの考え方や視点、それまでの知識や経験などで、一緒に働く方とぶつかることもあるかもしれません。しかし、仲間のよいところも認め合うことができれば、改善できる点は改善することに繋がるので1つのチームとしてよいケアを提供できるようになるでしょう。

 

よい介護サービスは高いチーム力によるケアで初めて成り立つもの

どうしても自分と行動や意見、視点が異なる方がいると、反発してしまったり、相手の弱みや悪い部分に目が行ってしまいがちになります。

 

しかし、そのような考え方をしていると、相手も同じく自分のアラを探したり、悪いところしか見てくれなくなってしまうでしょう。それではチームとして、施設を利用する方によい介護サービスは提供できなくなってしまいます。

 

よい介護サービスに必要なのはチームケアであり、1つのチームとしてそれぞれの利用者と向き合い、ケアを行うとであると理解しておきましょう。

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