介護の現場で働くことを希望していても、本当に自分が介護職に向いているのか分からないという方もいるでしょう。
そこで、介護職に転職したいなら、介護職に向いているとされる方の性格や、適正といえる仕事なのか、確認しておくと安心です。
介護職は2つに大きく分類される
65歳以上の高齢者は4人に1人という高齢化社会を迎え、ますます介護職の重要性は高まってきています。
介護職には、専門的・技術的職業に分類される「社会福祉の専門的職」、そしてサービス職に分類される「介護サービス職」があります。
自立して生活を送ることが難しい高齢者を支援する立場となる介護職には、仕事の内容や職種など多岐に渡っています。
社会福祉の専門的職に該当する仕事
- 福祉相談、指導専門員
- 機能訓練指導員
- 生活指導員、生活相談員
- 介護支援専門員(ケアマネージャー)
- 医療ソーシャルワーカー
- 心理カウンセラー
など
介護サービス職に該当する仕事
- 施設介護員(ケアワーカー、介護サービス員)
- 訪問介護職(在宅介護員、在宅ケアワーカー、訪問介護サービス員、ホームヘルパー)
など
介護職に向いている方の第一条件は高齢者に気配りできること
介護職で最も大切なのは、高齢者を敬う気持ちがあること、そして高齢者と関わりを持つことを楽しむことができることです。
高齢者はのんびりとしたペースなので、急がず、穏やかに接して対応することが大切といえます。
細やかな気配りも必要ですし、身体の不調などを伝えにくい高齢者の小さな変化に気がつくことができる方などに向いています。
介護現場では、高齢者のお世話をするだけでなく、命を預かることになるので、危機意識と責任感を持って働くことができることが大切です。
上手くコミュニケーションを取ってストレスを溜めないことも大切
利用者の身体状況などは様々なので、それぞれの状態に合わせてコミュニケーションを取ることができる能力も必要になります。
基本的に人を相手にする仕事なので、人と接することが好きではない方には向きません。
また、人と接することが好きだとしても、利用者やその家族からクレームなどが出て、精神的なストレスを感じる場面もあるかもしれません。
そのような場合でも、上手にストレスを発散したり、感情的になってしまわず気持ちをコントロールできる方なら、介護職に向いているといえるでしょう。
厳しい状況の中でも耐えることができる忍耐力が必要
高齢者の中には、上手く自分の気持ちや身体状況を伝えられない方もいます。
その場合、しっかりと耳を傾けて、どのようなことを要望しているのか、どこに痛みを感じるのかなど、理解することが必要です。
しかし、実際には想像以上に厳しい状況に立たされることもあるので、中途半端な気持ちでは続きません。
高齢者に対する思いやりだけでなく、そのような厳しい状況に耐えることができる忍耐力も必要になります。
十分な体力があることも必須
利用者の入浴やベッド上での体位変換など、介護現場では1日に何人という利用者を抱えることになります。
そのため、十分に体力が備わっていなければ、肉体的な負担を感じてしまう可能性があるでしょう。
精神面と肉体面、どちらもタフな方なら介護職に向いているといえます。
情に流されず冷静な判断ができること
介護現場の利用者の中には、身体の不自由な方もいれば、家族のいない孤独な方、心配ごとを抱えた状態で施設暮らしをしている方などいろいろな方がいます。
親身になって利用者の気持ちに寄り添ってあげることは大切ですが、ただ同情するばかりではなく、冷静に物事を判断することも大切です。
適切な助言も必要となるでしょうし、客観的な記録付けも必要です。
思いやりは大切ですが、情に流されてしまい、冷静な判断を欠くことは避けなければなりません。
利用者の気持ちに入りすぎてしまわず、家族のように接する中でも、一定の距離間は必要です。
そのためにも、実際に介護現場で働く中で仕事に対する能力は培われていくはずなので、普段の生活の中で自分の身の回りにどのような社会問題が存在するのか知っておくことが大切です。
高齢者や障害を持つ方が普段どのような生活を送り、何に不便さを感じているのかなどに関心が持てる方は、介護職に向いているといえるでしょう。
高齢者と触れ合い介護のプロになりたいという気持ちが大切
「介護」とは、身体や精神が健全でない方の行為を支援することです。
支援することで手助けになり、感謝されれば仕事にやりがいを感じられることになるでしょう。
もちろんやりがいだけで仕事はできませんが、精神面や肉体面でも負担が大きい仕事なので、やりがいを感じることは続けていくことの励みになります。
国も介護現場の厳しい状況を理解し、政策などで少しずつ改善しようとする動きがみられます。
仕事がないから介護職に就こうと思うのではなく、高齢者と触れ合い、介護のプロとして働きたいから介護職に就こうと思えるなら、それだけで介護職に向いているといえるでしょう。