コラム

介護サービスの種類と利用者にとってのメリットとは?

日本は高齢化が進んでいますが、親族が高齢で介護が必要になった時、家族だけで介護を行うと介護する側の心身の負担が大きくなりがちです。

 

そこで、介護が必要な高齢者を社会全体で支えようとする動きがだんだんと見られるようになっていますが、その1つが介護サービスの普及です。

 

高齢化社会を迎え、効果的に介護サービスを利用できる世の中になることが求められているといえるでしょう。

 

介護サービスは、要介護レベルやサービスを提供する場所によっていろいろな種類にわかれます。

 

もし、介護の現場で働くことを考えているなら、それぞれ介護サービスの種類とその特徴、そして利用者にとってどのようなメリットがあるか理解しておくようにしましょう。

 

そもそも介護サービスとは?

介護を必要とする方が利用できる「介護サービス」は、まず介護が必要な状態であると認定されることが必要です。

 

各自治体の窓口に申請を行うと、自宅への訪問調査や介護認定審査会などが行われ、1~5段階に分かれている「要介護」、または要支援1、または2など、どの段階に該当するのか判定されます。

 

いずれかの段階に該当すると判定され、介護の認定を受けた場合、介護支援相談員(ケアマネージャー)に「介護サービス計画書(ケアプラン)」を作成してもらいます。

 

必要な介護サービスは、作成されたケアプランに沿って利用するという流れです。

 

介護の認定を受けた時に利用できるサービスの種類

要介護の認定を受けると、「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3つの種類のサービスを利用できます。

 

要支援の認定を受けた場合、「居宅サービス」は利用できますが、「施設サービス」は限定されたものを利用できるという形です。

 

3つの介護サービスのどれを選択するのかで、利用者やその家族が感じられるメリットは異なります。

 

居宅サービスの特徴と利用者側のメリット

居宅サービスでは、在宅生活を送る介護を必要とする方に対して、訪問介護員(ホームヘルパー)などが自宅を訪問して行います。

 

「デイサービス」や「ショートステイ」など、一時的に施設に入所して介護を受けるサービスを併用することも可能です。

 

家族が自力で介護を行うことができる時間や、介護負担をどこまで軽減させたいのかによって、介護サービスの利用を調整できることがメリットです。

 

また、居宅サービスを利用するタイミングを上手く調整することで、介護にかかる費用負担も最小限に抑えることができるでしょう。

施設サービスの特徴と利用者側のメリット

施設サービスでは、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)や介護老人保健施設で介護を受けることができます。

 

介護士や看護師など、専門的な知識や技術を持った方たちが在籍している施設に入所できるため、急に様態が変わった場合なども対応に不安を抱えることは少なくなります。

 

また、介護を必要とする方は施設で生活を送ることになるので、それまで介護を行っていた家族の心身負担は軽減されます。

 

介護を必要とする方も、介護や看護を専門とする職員に見守られることで、安心して任せることができると気持ちが楽になるでしょう。

 

最初は施設に入所することを拒んでいた方でも、生活スタイルや価値観に合う施設を選ぶことで、実際に入所した後に居心地の良さを感じることも少なくないようです。

 

地域密着型サービスの特徴と利用者側のメリット

地域密着型サービスとは、介護を必要とする方が、それまで住み慣れた地域で継続して生活を送ることができるように、地域ぐるみで支援を行う仕組みのことです。

 

介護保険を利用する居宅サービスであれば、介護事業者の指定は都道府県が行います。しかし、地域密着型サービスの場合は市区町村が介護事業者を指定する部分が異なります。

 

サービスの基準や介護報酬などについても、市町村が地域の実情に合わせて決めるので、利用する時間や回数など柔軟な対応も可能であることがメリットといえます。

 

また、居宅サービスを利用する場合は、重度になるほど複数の介護事業者が関係することになるので、そのつど介護を担当する職員が異なります。

 

しかし地域密着型サービスのうち、「小規模多機能型居宅介護」では訪問、宿泊、通所など、どれも同じ介護事業所の職員が対応するので、顔なじみの職員からサービスを提供してもらえる部分が安心感に繋がるでしょう。

 

各介護サービスの特徴と利用者側のメリットを把握しておくこと

このように、介護サービスにも種類があり、それぞれ介護を必要とする方の状況や、希望するサービス内容によってどれを選択すればよいか異なります。

 

居宅サービスのメリットは、これまでと変わらず、自宅で家族と生活を送りながら必要に応じて介護サービスを利用できることがメリットです。

 

施設サービスなら、専門家のケアを常に受けることができ、生活を送る上での心身の負担を軽減できることがメリットといえるでしょう。

 

地域密着型サービスでは、在宅と施設、両方でサービスを利用することができ、地域の実情に合った介護を利用することができます。

 

介護の現場で働くことを希望するなら、どの立場で介護を必要とする方を支援したいのか、再度自分に問いかけてみてはいかがでしょう。

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