コラム

保険適用で介護サービスを利用する時に必要になる要介護のランクについて

40歳から誰もが被保険者となる介護保険ですが、将来、介護が必要になった時には保険を使って介護サービスを利用することができます。

 

ただ、保険を適用させて介護サービスを利用するなら、市区町村で要介護の認定を受けることが必要となりますが、介護を必要とする状態などによりランクが分かれています。

 

そこで、それぞれ要介護度はどのように区分されるのか、その内容について把握しておくようにしましょう。

 

要介護認定はどのように行われる?

要介護認定は、どのくらい介護サービスを利用することが必要になるか、介護サービスを必要度に応じて判断されることになります。

 

要介護と認定されるレベルは1~5まであり、年齢、身体機能、認知症の進行の程度などにより異なりますが、状態が重いほど介護を必要とするレベルも高いと判断されますので、より手厚いサポートを利用することが可能となります。

 

高齢者が身の回りのことや日常の動作などを自分で行うことが難しくなった場合に、住まいのある市区町村で申請を行うことで、その状態に応じて要介支援1、2、要介護1~5という7段階に区分されます。

 

要介護の認定の可否や、どのレベルに区分されるかは、まずは客観的に公平な判断を行うためコンピュータで一次判定を行うことになります。

 

その判定をもとにして、保健医療福祉の学識経験者5名程度が二次判定を行うという流れです。

 

最も軽度なのが要支援1で、自立に近い状態なので手厚い介護は不要とされます。最も重度なレベルとされるのが要介護5で、すべての行動を自分だけで行うことが困難であり、意思疎通も難しい状態のレベルとされています

 

判定の結果、どの支援や介護も必要がないと判断された場合や、介護保険の申請を行っていない方は自立という分類になり、要介護の認定はされません。

 

コンピュータによる一次判定で正しい結果が出る?

コンピュータによる判定は、その方の認定調査の結果をもとにして、約3,500人に対して実施した「1分間タイムスタディ・データ」から推計することとなります。

 

どのくらい介護サービスを行うことが必要になるか判断するため、実際に介護老人福祉施設や介護療養型医療施設などの施設に入所している約3,500人の高齢者に、どのような介護サービスを提供し、どのくらいの時間実施したのか、48時間に渡って調査した結果が「1分間タイムスタディ・データ」です。

 

認定調査の項目ごとに選択肢を設けて、「1分間タイムスタディ・データ」のうち心身の状況が最も近い高齢者のデータをもとにして、要介護認定の必要度や必要とする時間を推計するという方法が用いられています。

 

 

要介護認定が必要とされるレベルとは

要介護認定は、介護の必要度をあらわすものさしとしての時間とされる「要介護認定等基準時間」をそれぞれの基準にあてはめて算出し、さらに認知症高齢者の指標を加味しながら行います。

 

要介護認定等基準時間の分類は、

  • 直接生活介助…入浴、排せつ、食事などの介護
  • 間接生活介助…洗濯、掃除などの家事援助
  • 問題行動関連行為…徘徊に対する探索、不潔な行為に対する後始末など
  • 機能訓練関連行為…歩行訓練、日常生活訓練等の機能訓練
  • 医療関連行為…輸液の管理、じょくそうの処置など診療の補助

といった形に分けられます。

 

その上で次の7つのレベルのいずれかに該当するかを判定していくこととなります。

  • 要支援1 要介護認定等基準時間が25分以上32分未満、またはこれに相当すると認められる状態
  • 要支援2・要介護1 要介護認定等基準時間が32分以上50分未満、またはこれに相当すると認められる状態
  • 要介護2 要介護認定等基準時間が50分以上70分未満、またはこれに相当すると認められる状態
  • 要介護3 要介護認定等基準時間が70分以上90分未満、またはこれに相当すると認められる状態
  • 要介護4 要介護認定等基準時間が90分以上110分未満、またはこれに相当すると認められる状態
  • 要介護5 要介護認定等基準時間が110分以上、またはこれに相当すると認められる状態

 

要支援や要介護と認定される心身の状態の目安

なお、要支援状態や要介護状態については、目安として次のような状態であるとされていますので確認しておきましょう。

 

自立(要介護認定に該当しない場合)

歩行や起き上がりなど、日常生活を送る上での基本的動作は自分で行うことができ、薬の内服や電話の利用など、手段的日常生活動作を行うこともできる状態

 

要支援状態

日常生活を送る上での基本的動作はほぼ自分で行うことが可能ではあるものの、日常生活動作の介助や要介護状態となること予防を行う日常生活動作に支援が必要となる状態

 

要介護状態

日常生活を送る上での基本的動作を自分で行うことが難しく、何らかの介護を必要とする状態です。さらに要介護状態を1~5まで分類した上での状態は次の通りとなります。

  • 要介護1 要支援状態から手段的日常生活動作を行う能力が低下しており、部分的に介護が必要とされる状態
  • 要介護2 要介護1の状態に加えて日常生活動作に部分的な介護が必要とする状態
  • 要介護3 要介護2の状態と比べると、日常生活動作や手段的日常生活動作、どちらも著しく低下しておりほぼ全面的な介護を必要とする状態
  • 要介護4 要介護3の状態に加えて動作能力がさらに低下しており、介護を受けなければ日常生活を営むことが難しい状態
  • 要介護5 要介護4の状態より動作能力がさらに低下しており、介護を受けなければ日常生活を営むことは不可能な状態

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