面接で直接採用担当者と話をすることになると、どうしても緊張してしまいがちです。しかし、採用担当者からの質問には必ず意味がありますので、なぜその質問をするのか考えながら答えていくことが必要になります。
自分をしっかりアピールできるように、事前にどのような質問が行われるのか、前もって確認しておくようにしましょう。
まずは自己紹介と簡単な職務経歴の説明から
面接序盤では、簡単な自己紹介、さらに職務経歴について質問が行われると想定されます。
自己紹介から採用担当者が何を見ているのかというと、応募者の第一印象やコミュニケーション能力、職務経験の概略、経験の中で魅力に感じる部分です。
氏名を名乗ったら、応募する企業で活かすことができる職務経験を30秒から1分程度に簡潔にまとめて話しましょう。
様々な業務に携わって多くのスキルが身に付いているのなら、その中でも特に自分の強みになる経験を具体的に伝えるようにします。
そのためにも応募する企業が求めている人材との共通部分を事前に見つけておくことが必要です。
前職の退職理由
採用担当者から退職理由を質問される理由として、組織に適応する能力やストレスに耐えられる能力を見ていると言えます。
仮に人間関係に問題があり退職したという答えがあれば、採用しても今働いている従業員と馴染めないのではと懸念されてしまいます。
そこで、退職理由がネガティブな理由だったとしても、その理由をきっかけに今はポジティブに将来を考えることに繋がったという表現に変えてみましょう。
嫌なことがあったから辞めたと聞けばネガティブなイメージですが、実現したいことがあるから辞めたと聞くとポジティブな印象に変わります。
仮に、前の会社が倒産してしまったなど本意ではない理由で退職した場合でも、そのことがあったからこそ必死で働くことを考え、応募する企業と巡り合えた、と前向きな回答のほうが印象は良くなるはずです。
応募した企業を志望する理由
採用担当者は、職務上の強みやキャリアプラン、応募する企業をどの程度理解し、どのような思いを抱いているかを確認していると考えましょう。
これまでの職務経験を活かし、応募する企業だから貢献したい気持ちを伝えることが必要ですが、それには応募する企業の特徴を把握しておく必要があります。なぜ応募する企業で働きたいのか伝えるために、ホームページやパンフレットなどから情報を収集し、企業分析は事前に必ず行っておくようにしてください。
強みや弱み、キャリアプランなどについての質問
面接中盤になると、強みと弱みに感じる部分、将来のキャリアプランなどを聞かれることが多いでしょう。
しっかり自己PRする場面ですので、抽象的な回答ではなく具体的に答えることができるように準備しておくことが必要です。
長所と短所は何か
採用担当者が長所と短所を質問する理由として、どのような部分が良い所で、短所である部分が業務に支障を与えないかを確認していると考えられます。
例えば、粘り強く最後まであきらめない性格であることを長所とするなら、前職での具体的な経験などを添えることでより真実味が増します。
また、例えば気が短いことを短所とするなら、人間関係に溝が入りやすい性格だと判断されてしまうかもしれません。
そのため短所として挙げるなら、つい物ごとに没頭し過ぎて時間が経つのを忘れてしまうことがあるなど、集中力が高いメリットとも感じられる内容にしておいたほうが良いでしょう。さらに、集中し過ぎないように時間管理を意識した行動を心掛けているといった、改善部分まで伝えるようにしてください。
採用するメリット
転職採用の場合、多くは短期間で戦力になる人材を求めていると考えておきましょう。
そのため、もし採用した時に貢献してくれる人材なのかという確認の意味を込め、採用したら会社にメリットはあるのかという質問を投げかけてくると考えられます。
応募する企業が求める人材と、自分が強みだと思っている部分が合致しているのか、強みが実務面で貢献に繋がるのかがポイントとなります。
応募する企業が求めている職務能力や適性を把握しておき、これまでの職務経験からアピールできる強みを選んでおくようにしましょう。
ハードな仕事でも大丈夫ですか
どの程度、職務内容を理解できているのか、そして仕事に対して意気込みがあるかを確認するために、大変な仕事でも乗り越えられるかを尋ねてきます。
男性・女性関係なく、残業や夜勤、休日出勤などがある仕事の場合、採用しても思っていたより大変だと感じて辞めてしまう可能性があるからです。
そのため、必要な業務なら最後まで取り組む姿勢であることを伝え、ハードな仕事とは具体的にはどのようなイメージなのかを質問してみると良いでしょう。おそらく大丈夫といった、不安をあおるような答え方は避けるようにしてください。
仮に残業などができない場合や、勤務できない時間帯や曜日がある場合には、面接の時に伝えておくようにしましょう。
将来、転勤は可能ですか
仮に転勤がある企業の場合、転勤が可能かという質問に対して、安易にできると答えてしまわない様にしましょう。
本当に転勤があっても問題ないなら良いですが、家族に相談しなければすぐに回答ができない場合や、事情があって転勤が難しい場合、そのことを隠しておくのは大きなリスクになります。
転勤が難しい状況であれば、自分のためだけでなく採用する企業のためにもしっかりと伝えておきましょう。
希望することや質問はないか
面接終盤になると、どのくらい入社意欲が高いのか、具体的に応募する企業に対する希望などを聞かれることが多くなります。
現在の年収と希望する年収
現在どのくらい年収があるのか、そして希望する年収について聞かれることもあります。
希望する年収が、応募する企業から支払える給料で計算される年収とかけ離れて高いと採用は難しくなります。反対に現在の年収や希望する年収が極端に低い場合には、職務能力などに疑問を抱かれる可能性があるでしょう。
職種やポジション、資格の有無などでも年収は様々ですが、希望年収が相場とあまりにかけ離れていると、自分自身を客観視できていないと捉われてしまう可能性がありますので注意してください。
希望する年収は応募する企業の規定に従うつもりであることを伝え、現在の年収と同等以上を希望するという答え方が良いでしょう。そのためにも事前に求人票に記載されている給料の額を確認しておき、現実的な金額を提示できる様にしておきましょう。
最後に何か質問はありますか
採用担当者からの最後の質問として、何か聞きたいことはないか尋ねられることがあります。
もし、業務内容などで不明な点があるならこのタイミングで確認をしてください。本当に何も確認したいことがないなら、特に質問はないことを伝えてもかまいません。
ただし、入社した後の業務に関しての質問などができれば、積極的に業務に励みたい姿勢をアピールすることに繋がります。ホームページやパンフレットなどを見れば確認できることや、待遇や休日に関しての質問は印象を悪くする可能性があるので避けたほうが良いと言えます
入社意欲をアピールできる準備をして面接に挑むこと
面接の最後には、面接を行ってくれたお礼と、これまでの経験を活かして戦力として企業に貢献できると確信していること、そして応募する企業で頑張りたい気持ちが面接を通して強くなったことを伝え、「どうぞよろしくお願いいたします。」と挨拶をして退席しましょう。
採用担当者に対し、仕事のやりがいをしっかりと伝えることができれば、自己分析もできている人材だと判断されるはずです。入社して働きたいという意欲を十分にアピールできるように、事前に準備した上で面接に挑むようにしましょう。