介護現場は高いやりがいを持つ職業の一つですが、同時に高いストレスを伴うことも事実です。
介護士や看護師、関連職種の方々は、身体的・精神的な負担に加え、感情的なストレスも経験します。
そこで、今回は、介護現場でたまるストレスの種類と、その解消方法についてご紹介します。
介護現場での主なストレス要因
体力的な負担
介護士は日常的に患者や利用者の身体的なケアを提供します。これには寝たきりの患者の寝返りの援助、車椅子からの移乗のサポート、入浴の手伝いなどが含まれます。これらはしばしば力仕事であり、重い物を持ち上げたり、患者を支えたりする必要があります。これにより、体力は日々消耗され、体力的な疲労が蓄積します。
また、介護現場では予測不可能な緊急事態が発生することがあります。患者が急に体調を崩し、意識を失う、呼吸困難に陥るなどの緊急事態に対応する必要があります。迅速で適切な対応が求められますが、これは非常にストレスフルな状況です。
そして、介護士は感染症のリスクに晒されることがあります。例えば、患者や利用者の排泄物や体液と接触することが多く、感染リスクを最小限に抑えるために厳格な感染対策を実施する必要があります。感染症の広がりを防ぐために、手洗いや感染対策の遵守が欠かせませんが、これがストレスの要因となります。
感情的な負担
長期間同じ患者や利用者と関わることが多いため、その人が健康を損なうことや、最悪の場合、亡くなることを経験することがあります。このような喪失と苦痛に共感することは、心に大きな負担をかけます。特に高齢者や重度の病気を抱える患者に対する介護では、感情的なつながりが強く、その喪失感もあります。
また、患者や利用者の家族との関係は複雑で、時には摩擦が生じることがあります。家族が患者のケアプランに対して異なる意見を持つ場合、介護者はその調整役を務める必要があります。また、家族からの圧力や期待もプレッシャーがかかるでしょう。
そして、高齢者や病気の患者の中には、認知症や精神疾患を抱える人もいます。そのような状況での対応は、精神的な負担となります。認知症患者の混乱や行動の制御、精神的な安定を保つための工夫が必要です。
時間的なプレッシャー
介護の仕事は多忙で、予定が詰まっています。患者や利用者のケア、医師とのコミュニケーション、医療記録の管理など、同時に複数のタスクをこなす必要があります。この多忙なスケジュールは、時間的なプレッシャーになります。
また、多忙な状況で、残業が発生することがあります。長時間の労働は体力的にも精神的にも負担となり、仕事とプライベートのバランスを取る難しさを増加させます。
責任の重さ
患者や利用者の生命に関わる責任を負っています。誤った判断やミスが取り返しのつかない結果をもたらす可能性があるため、この責任は非常に重く圧力をかけます。患者の健康や生命に直接影響を与える役割は、責任の重さを常に意識させます。
また、法的に規制に従わなければならず、訴訟リスクにさらされることもあります。医療のプロフェッショナルとしての法的責任を理解し、適切に行動しなければなりません。法的問題は介護士にとって大きなストレスの要因です。
人間関係
患者や利用者とのコミュニケーションが難しい場合があります。特に認知症やコミュニケーション障害を持つ人に対応することは、介護者にとって挑戦的な課題です。コミュニケーションがスムーズに行かない場合、患者や利用者のニーズを理解し、適切なケアを提供することが難しくなります。
また、介護現場は多くのプロフェッショナルが協力する場所であり、時にはチーム内で意見の相違や摩擦が生じます。医師、看護師、介護者、社会福祉士などが協力してケアを提供するため、チーム内のコミュニケーションと協調性が欠かせません。チーム内の摩擦が解消されない場合、ケアの質に影響を与えることがあります。
介護現場でのストレス解消方法
自己ケアを優先する
休息の質を向上しましょう。快適な寝具や静かな環境での睡眠を確保し、質の高い休息を取りましょう。また、食事の計画をしっかりと取りましょう。健康的な食事を事前に計画し、栄養バランスを考えた食事を摂りましょう。そして、趣味や娯楽活動を楽しむ時間を持つことで、ストレスの解消に役立ちます。
タイムマネジメントとスキルの向上
優先順位付けをしましょう。タスクの優先順位を設定し、重要な仕事に集中しましょう。また、スキル向上の機会を積極的に取り入れましょう。資格取得に励むことでスキルを向上させ、実務の中で新しいスキルを習得しましょう。
意識的なストレス対処法
意識をしてストレスを和らげることが重要になります。ヨガ、瞑想、深呼吸などが効果的です。また、ストレスの原因を特定して、問題の解決策を見つけましょう。
目標設定とポジティブな考え方
仕事や個人的な目標を設定し、達成感を感じることでモチベーションを維持しましょう。また、自己評価を高め、自信を持つことがストレスの軽減につながります。やり遂げたことは自分で認めてあげましょう。