自分ひとりでは日常生活を送る上で動作などに不安がある方に対し、介護サービスを提供する場は介護施設だけではありません。
自宅にいながらでも介護サービスの利用を可能とするのが在宅介護サービスですが、種類がいろいろあるためそれぞれ特徴など異なります。
そこで、自宅でも介護サービスを利用できる訪問入浴や訪問介護など、訪問型の介護サービスの種類とそれぞれの特徴について説明します。
在宅介護サービスを利用するために必要な2つのこと
在宅介護サービスでは、サポートを必要とする方が自宅で利用できる介護サービスです。
ただし誰でも利用できるわけではなく、次の2つを行った後での利用となります。
- 要介護認定を受ける
- ケアプランの作成
それぞれ何が必要なのか説明します。
要介護認定を受ける
自宅でサポートを受けたい方が在宅サービスを利用するためには、まず住んでいる市区町村で要介護認定を受けることが必要です。
要介護認定では、
- 非該当(自立)
- 要支援1~2
- 要介護1~5
の段階で判定されることとなり、要介護の数字が高いほど介護を必要とする重い状態であると判断できます。
ケアプランの作成
要介護1以上の認定を受けたときには、ケアマネジャーにケアプランの作成を依頼することになります。
ケアマネジャーとは、サポートを求める方にとって必要な介護サービスを総合的に判断し、ケアプラン(介護計画)作成を仕事とする、介護事業者と利用者の架け橋となる専門家です。
要支援の認定を受けた場合には、「介護サービス」でなく「介護予防サービス」の利用が可能となります。
在宅で介護サービスを利用するため、ケアマネジャーが要介護者をサポートすることを「居宅介護支援」と言います。
訪問型の在宅介護サービスの7つの種類
在宅介護サービスには、次の5つの種類があります。
訪問型
通所型
宿泊型
訪問・通所・宿泊の融合型
介護保険適用外のサービス
このうち、在宅したまま利用できる訪問型のサービスは次の7つです。
- 訪問介護
- 訪問看護
- 訪問入浴介護
- 訪問リハビリテーション
- 居宅療養管理指導
- 夜間対応型訪問介護
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
それぞれどのような在宅介護サービスなのか説明していきます。
訪問介護
「訪問介護」は在宅介護を全体で支えるサービスであり、「ホームヘルプサービス」とも呼ばれます。
対応するのはホームヘルパーで、日常の家事・入浴・排泄・衣服着脱など支援します。
ただし介護者以外の生活支援をすることはできないため、介護者の食事や洗濯などの準備しかできませんので注意しましょう。
要介護1〜5の認定を受けた方が利用できるサービスですが、要支援認定を受けていれば「介護予防訪問介護」の利用が可能です。
訪問看護
「訪問看護」とは、看護師が利用者宅を訪問して担当医の指示に基づいた医療的処置・診断補助・健康確認などをするサービスです。
要介護1~5の人だけでなく要支援者1~2の人も利用できますが、主治医の看護指示書が必要となります。
受けることのできるサービスは、栄養管理・食事の指導・口腔ケア・膀胱カテーテル・褥瘡予防と処置など利用者の健康状態により違ってきます。
訪問入浴介護
「訪問入浴介護」では、看護師や介護士が利用者宅を訪問し、入浴のサポートを行います。
自宅の浴槽では入浴することが困難な方に対するサービスであり、要支援1から要介護5まで認定を受けていれば利用できます。
介護事業者が浴槽と給湯器を持参して入浴介助してくれますが、身体を拭くだけといった場合でも対応可能です。
訪問リハビリテーション
「訪問リハビリテーション」は、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などリハビリ専門家が自宅で自立支援に向けたリハビリを行うサービスです。
離床促進・寝返り・起き上がり・歩行などの機能回復訓練などを行いますが、リハビリ専門家が対応するため的確な内容で支援されることがメリットといえます。
要支援1~要介護5までの認定を受けている方が利用できますが、訪問看護指示書が必要です。
居宅療養管理指導
「居宅療養管理指導」は、医師・歯科医師・薬剤師・栄養士などが栄養管理・指導を行うサービスで、直接医師が利用者宅を訪問することが特徴です。
対象となるのは生活習慣病など持病がある方や、入院の判断が必要な方であり、要支援1~要介護5の認定を受けている方が利用できます。
夜間対応型訪問介護
「夜間対応型訪問介護」は、ヘルパーが夜間の決まった時間に利用者宅を訪れる定期巡回サービスです。
緊急の際にも利用者が通報可能となっているサービスがあるため、万一のときにも安心できます。
対象となるのは要介護1~5の方で、他のサービスと組み合わせれば24時間体制で対応してもらうことが可能となります。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」は、看護と介護が連携しつつ利用者宅を24時間定期的に巡回するサービスで、通報を受けたときすぐに駆けつけてもらえるなど安心できます。対象となるのは要介護1~5の認定を受けた方です。