コラム

介護職が個人目標を設定するときは何から決めていけばよい?

介護の現場で働く方にとって、「個人目標」を設定することは大切なことです。

 

プロとして何を目指すのか、どうなりたいかなど、ぼんやりと理想とする自身の姿を思い浮かべることと、具体的に目標を設定することは大きく異なります。

 

そこで、介護現場で働く介護職の方が個人目標を設定するとき、何から決めていけばよいかなどご説明します。

 

介護職が個人目標を設定することのメリット

介護現場で働く介護職の方たちが仕事にやりがいを感じ、スキルを上げていくためには明確な個人目標が必要です。個人目標を設定することで、仕事に対するモチベーションも向上します。

 

目指すべき姿や能力を明確にすることで、その目標に向かい何をするべきか見えてくるため、意欲や行動にも変化があらわれるはずです。

 

目指すものがなく、単に業務をもくもくとこなすだけではモチベーションも上がらず、指示されたことのみを済ませればよいという考えになってしまうものでしょう。

 

しかし目標を持つことで自分のなりたい姿に近づくための一歩として行動できるため、仕事も丁寧にやりがいをもって取り組むことが可能となります。

 

将来のキャリアプランも明確にすることが可能に

設定した個人目標を達成するために、今自分が何をクリアしなければならないのか問題を把握することができるでしょう。

 

それにより、将来、介護現場でどのような立場で働きたいのかキャリアプランも見えてくるはずです。

 

そのためにも漠然と長期的な目標を掲げるのではなく、まずは達成できる可能性がある短期的な目標設定がポイントといえます。

 

介護職における個人目標の設定方法

個人目標を設定することは大切だとわかっていても、具体的に何から決めればよいかわからない方もいるかもしれません。

 

まず個人目標の設定方法はいくつかありますが、もっとも基本といえるベーシック法により設定してみましょう。

 

ベーシック法では、目標項目・達成基準・期限・達成計画の4段階により目標を設定していきます。

 

①目標項目を設定する

まずは次の項目ごとに目標を設定してみましょう。

 

向上・強化…今行っていることでさらに力をつけ高みを目指す上での目標

改善・解消…今問題として抱えていることを改善・解決させるための目標

維持・継続…今取り組んでいることを継続し現状を保つ上での目標

創出・開発…今までにない新たなことへ挑戦するための目標

 

②達成基準

設定した目標が達成されたとする基準を決めておきましょう。

 

具体的に数値や状態で達成ラインを決めたほうがわかりやすいですが、たとえば「模擬試験で〇点以上」「資格参考書を〇ページずつ読み進める」「〇〇資格を取得する」などです。

 

③期限

目標とした部分をいつまでに達成するのか、その期限も決めておきます。「〇月までに資格参考書は読破する」「〇年〇月までに○○資格を取得する」といった決め方でよいでしょう。

 

④達成計画

目標達成に向けて必要な段階をクリアできるような計画を立てていきます。

 

たとえば資格取得を目標とするのなら、「〇月までに資格参考書をすべて暗記」「〇月までに資格問題集をやり終える」「〇月までに資格問題集の正答率を〇%にする」「〇月の試験までに予想問題の正答率を〇%にする」などです。

 

 

介護現場での経験年数により個人目標は異なる

実際に介護現場でどのくらいの年数働いているかにより、それぞれ設定する個人目標は異なるといえます。

 

たとえば資格も何も持たない未経験者の介護スタッフが、個人目標として「介護福祉士の資格取得」を掲げても現実的ではありません。

 

まずは目先の小さな目標を一歩ずつクリアし、介護福祉士の資格取得を目指すための土台を築くことが大切です。

 

具体的に介護現場での経験年数ごとの個人目標は次のように設定するとよいでしょう。

 

 

介護現場1~3年の新人介護職の場合

まだ介護現場で十分に経験を積んだといえる状況ではない1~3年程度の新人介護職の場合、設定する個人目標はまず業務を覚えることからです。

 

具体的に何ができるようになりたいのか、理想とする介護士像を思い描きながら業務での目標と取得したい資格を決めていきましょう。

 

 

介護現場4~9年の中堅介護職の場合

介護現場の経験が4~9年の中堅介護職の場合、基本的な介護技術や知識はすでに身についているはずです。

 

そこで個人目標として設定することは、専門的な知識・技術の習得の他、リーダーとして指導するマネジメント能力を身につけることなどでしょう。

 

その先に、専門性の高い介護スキルや資格を取得しスペシャリストを目指すのか、それとも施設長や管理者といった立場を目指すのか決めていくことになります。

 

 

介護現場10年以上のベテラン介護職の場合

介護現場での経験が10年以上あるベテラン介護職になると、現場全体を把握し行動することもできますし、スタッフに対する指導や育成などもすでに求められる立場となっていることでしょう。

 

現場で業務をこなしながら管理職としての業務も抱える中、自らに時間を割くことは難しくなりがちですが、将来の自分にも目を向け個人目標の設定をするようにしてください。

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