介護施設などでニーズが高まっている介護補助とは？

介護業界の人材不足は常に大きな問題として取り上げられていますが、介護現場で活躍することが期待されるのが「介護補助」です。

介護職員をサポートする形で働くのが介護補助であり、高齢者に直接触れる介助は行わないものの、様々な業務を担うことになります。

そこで、介護施設でニーズが高まると考えられる介護補助の仕事についてご紹介します。

介護補助とはどのような仕事を行う人？

介護補助は、介護施設によって介護助手と呼ばれることもありますが、どちらも介護スタッフをサポートする仕事をする人のことです。

介護福祉士など介護職員初任者研修などの資格を保有するスタッフは、介護施設の利用者に対し専門的な知識などでケアを行っていきます。

しかし介護補助は、利用者の身体に直接触れて行う入浴や食事、排せつ介助などは行いません。

あくまでも介護スタッフが専門的に介護業務を行うことを支援する立場として、利用者の話し相手になったり掃除や食事の配膳をしたり、身体介護以外で業務を担当します。

直接利用者を介助・介護する介護スタッフと異なり、介護補助は身体的な負担が低いことが特徴です。

そのためリタイア後に介護現場で働き始めた高齢の方や、まだ資格を持っていないけれどこれから介護現場でスキルを磨きたいという方にもおすすめできます。

介護業界は人手不足が深刻化しているため、これから介護補助を増やせば業務も効率化され、介護施設で提供する介護サービスの質を向上させることにもつなげることができます。

介護人材確保を重要な課題としている国も、若い世代はもちろんのこと、中高年齢者や女性、障がいのある方など幅広い人材雇用がされるような取り組みを進めているので、検討したい職種といえます。

これから介護施設にとってニーズが高まることが予想される介護補助ですが、すでに積極的に採用を進めているのが三重県です。

モデル事業として高齢者の介護補助を導入し、元気な高齢者が超高齢社会を支える取り組みにいち早く乗り出しました。

介護専門の職員が業務を細かく分類し、比較的簡単にできる業務を介護補助が担当する形です。

これから三重県だけでなく、様々な都道府県で介護補助が注目されるようになれば、ITやロボットなど導入を検討しなくても業務効率化を図ることが可能となるでしょう。

介護施設で利用者に対する身体介護などは介護専門のスタッフが行うため、介護補助は負担の少ない業務を担当することになります。

そのため会社員として勤務していた方が定年を迎えたものの、まだまだ現役として働くことのできるといった元気な高齢者にもおすすめです。

働きながら介護知識を習得することが可能なので、自身や家族の介護予防にも役立つ知識などを得ることができるのはメリットとなるでしょう。

また、介護を必要とする利用者にとって、比較的年齢の近い高齢のスタッフが身近にいれば安心感にもつながります。

高齢の方が現場で働くとき、終日勤務では体力的につらさを感じることもあるでしょう。しかし介護事業所によっては、午前と午後のいずれかのみ勤務を可能とする場合もありますし、業務内容に応じて短い時間で勤務可能とするケースも多く見られます。

出勤する日数も1週間で3～4日程度など、毎日勤務しなくてもよいことも少なくありませんので、できる範囲で働くことを可能とすることが介護補助の魅力です。

介護補助は、これから介護現場で少しずつ介護の知識を得て、スキルアップしていきたいという若い世代にもおすすめです。また、短時間労働が可能なため、子育て世代の主婦などでも安心して働くことができます。

介護業界に興味はあっても、何も資格や知識もないため本当に自分に務まるのか…といった不安を感じる若い世代でも、介護スタッフの補助という形であれば働きやすいはずです。

子どもの保育園のお迎えなどがあり、空いた時間を活用して働きたいという主婦でも、仕事と子育てを両立させることができます。

短時間出勤や土日祝日は休日にしてもよい介護事業所もあるので、自分の働き方と合致する施設を選ぶとよいでしょう。

介護補助は介護の資格や経験がなくても働き始めることができます。実際に介護現場で働きだした時には、まず掃除や片付けなど比較的簡単に始めることが可能な業務から行うことになるでしょう。

そして介護職員初任者研修や実務者研修を受講し、専門的な知識を得ることで介護業務を行うといったステップアップも可能です。

さらに将来的に、介護業界唯一の国家資格である介護福祉士にキャリアアップを目指すことができます。

介護補助は幅広い年代の方でも資格・経験なしで始めることが可能なので、興味がある方はそこから初めてみてはいかがでしょう。